大学編入(理系)
大学編入(理系)
大学編入制度は、アメリカ合衆国ではとても盛んですが、日本ではマイナーな入試だと言えると思います。ソフトバンク創業者の孫正義さんは、ホーリーネームズ短大というところから、超名門のUCバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)の3年生になり、しっかりと学び、その後の事業展開に成功しました。知識が身につき、有名校出身の学歴は、社会的信用を増したことと思います。大学編入は、このように人生を切り拓くことにつながりやすい受験制度です。
オバマ大統領は、オクシデンタル大学からコロンビア大学に編入していますし、トランプ大統領はフォーダム大学からペンシルバニア大学に編入しており、バイデン大統領はデラウエア大学からシラキュース大学に編入しており、アメリカ合衆国大統領は3代続けて編入しています。このように、アメリカ合衆国では編入学(トランスファー)は一般的な入試です。
大学編入制度とは、その人が学んで来た大学、高専、短大、専門学校などでの単位を活かし、他の大学の3年生などになるという入試です。(基本は、大学2年修了、高専卒、短大卒、専門学校卒の人が他の大学の3年生になりますが、中には大学1年を修了して他の大学の2年生になれるところもあります)
すべての大学が実施している入試ではありませんが、かなりの国立、公立、私立が実施しています。受験資格は大学によって異なり、入試科目も異なることなどから、なんだか複雑で、大学受験のように情報が出回っていないために、よくわからないために、受験をあきらめてしまう人も少なくないのが大学編入です。情報収集不足によって、せっかくの自分の受験選択肢を見逃してしまっている人がいて、もったいことになっていることが少なくありません。
例えば、以下のような人たちが理系編入をしています。
・進学後に学びたい分野が見つかったり変わった人
・よりよい研究環境を求める人
・ぜひ学びたい教授目当ての人
・大学受験のリベンジ
・国立大学に入りたい
・名門私立に入りたい
・資格を取得したい
・いい会社への就職につながりやすい大学に変わりたい
・モテたい
・ゴリゴリの理系は大変なので専攻を変えたい
・自分に自信をつけたい など
受験資格は、大学によって、4年制大学の2年次修了、高専卒、短大卒、専門学校卒だったりと少々複雑です。高専生にとってはうれしいところもあります。
例えば、東工大は高専と短大の人が受験ができます。例えば、東京医科歯科大学との統合を決めた益一哉東工大学長は、神戸市立工業高等専門学校から東工大に編入学した経歴をお持ちです。高専の専攻科で大卒資格を取得するよりも、名門の4年生大学卒の方がその後のキャリア形成をしやすくなると思います。
入試科目は、
・英語の筆記、数学・物理・化学・生物・地学などの選択、面接
・英語の筆記、数学・物理・化学などと機械工学・電気工学など志望学科の専門、面接
・英語の筆記、小論文、面接
(英語の筆記は英文の全訳、国立2次のような総合問題、私立大学の記号選択の形式など)
・TOEICなどの提出、数学・物理・化学・生物・地学などの選択、面接
・TOEICなどの提出、数学・物理・化学などと機械工学・電気工学など志望学科の専門、面接
・TOEICなどの提出、小論文、面接
・英語なし、数学・物理・化学などの選択、面接
・英語なし、数学・物理・化学などと機械工学・電気工学など志望学科の専門、面接
・小論文、面接
・面接のみ
など理系編入の入試科目は多様です。
英語、国語、社会が苦手で、国公立大学に行けなかった人も、国立理系編入ならば、自分に合った入試科目のところを上手に併願すれば、高校3年生や浪人の時に手が届かなかった大学合格を引き寄せやすくなっています。
英語が苦手でも、国立大学編入を、数学、物理、化学だけで勝負できたりもしますので、得意分野がピンポイントの人には狙い目の入試制度だと思います。
もしも、国立大学に入ることが目的だったりした場合、あまり人気がないものの、生き残りに必死な学問分野のために受かりやすいところを受ける手もあります。例えば、地学は人気こそないですが、地学の教授はがんばっていますので、受験すると喜んで歓迎してくださるケースは多いです。その逆に、情報系など就職先が多い学科を狙うという手もあります。
また、一般入試のように試験日が同じでないため、国公立大学をいくつも併願することできるのも大学編入の魅力だと思います。筑波、横国、千葉大などを受けつつ、地方の国公立をいっぱい受けることもできます。
学費が高いのにあまり設備がよくない私立の理系から、学費が安く設備が整っており、研究環境が充実しており、就職の選択肢が多い国立に編入して、人生を切り拓いている人たちは少なくありません。
浪人と比べると今いる大学と編入後で合わせて4年で卒業ができますので、時間とお金を節約することができることも編入学のメリットでしょう。また、大学編入では、志望理由書、筆記、面接などいろいろやることがあり、それは就職活動と似ていますので、就職活動の予行練習になって後々役立つこともあります。
就活のガクチカ(学生時代に頑張ったことはなんですか?という質問)の質問に対して、大学編入という珍しい経験に成功し、行動力、情報収集力を身に着けたとアピールすることもできます。
編入では、面接も重視されます。仮に学歴目当てだったとしても、研究したいことが〇〇大学〇〇学部ではしっかりできるために環境を変えて学びたいので編入したい、といったストーリーが必要です。理系の人はコミュニケーションが苦手な人が多めなため、面接が不安な人は少なくないと思いますが、究進塾では理系志望者の志望理由書、面接のバックアップもしっかりしますのでご安心ください。
国公立理系の編入試験は、6月~7月に実施されることが多いため、大学1年の夏や秋から準備を始めるとよりよいでしょう。
「まとめ」
大学編入のメリット
・大学受験よりも入試科目が少なくて済むので、英数国理社などが得意でなかった人も何とかなりやすい
・英語が苦手でも、英語なしでOKの入試は国公立理系は意外と多くあるため理数系で勝負できる
・国公立大学もいっぱい1年間で併願できる
・浪人よりも時間とお金を節約できる
・誰もが受ける試験ではないのでライバルがあまり強力でないことが多い
合格への道筋
・受験の気持ちを固める
・塾などで情報を把握して、受験戦略を立てることにする
・受けたい大学の出題と自分が対応できそうな科目をすり合わせる
・こつこつ粘り強く準備する
・志望理由書、面接対策もしっかりする
・最後まで粘り強くあきらめずにやる
・うまく併願する
・入試本番で力を出し切る