岸田総理は理系を増やそうとする

学生そして産業界で高まっているのは、文理双方の科目の習得、「文理融合」をめざす声だ。文系学部でも理系の専門分野を副専攻で学べるようにしたり、大学が自前で用意できない科目があれば、単位互換制度を使って他大学と連携したりする取り組みが進む。

 求められるのは、かつてない規模とスピードで変動する世界に、柔軟に対応できる若者を育てることだ。その力は文理を問わず、多様な知識と経験を積み上げることで身につく。たこつぼに陥らず、しっかりした倫理観や大局観をもつことも不可欠だ。旧態依然の文理の別に縛られ、理系学生をただ増やすことに躍起になるのは、時代錯誤というものだ。

(社説)理系を増やせ? 失敗の轍 踏まぬために:朝日新聞デジタル (asahi.com)